栃木県日光市 実証事業レポート ZEN messenger 参加記録
栃木県日光市。世界遺産の社寺と豊かな自然で知られるこの地に、2025年11月、5つの市民団体が一斉にZEN messengerに参加した。子どもの自律を育む放課後支援、清流を守る環境教育、絵本と子どもをつなぐ読み聞かせ、外国にルーツを持つ子どもたちへの学習支援、親子の創造力を引き出すワークショップ——。それぞれが異なるコースを走りながら、同じゴールを目指している。「日光の子どもたちと地域が、もっと豊かであること」。
3ヶ月間の活動投稿から読み取れる、各団体の多彩な取り組み。異なるフィールドを走る5人のランナーが、それぞれのペースで確実に歩みを刻んでいる。
▲ 左から:雪山フィールドでの一大イベント、小杉放庵記念美術館との連携による紙版画体験、外部講師を招いた国際交流
ロッビアは3ヶ月で最多の投稿を行い、工作・スポーツ・食育・行事・校外学習・国際交流と多彩なプログラムを週次で実施。大室ダム一周マラソン、雪上運動会(ソリ・雪玉入れ・綱引き)、弓矢工作、さんま工作、折り紙の毛虫、スライム制作、シチュー作り、節分会、ひな祭り工作など、子どもたちの日常に豊かな体験を提供し続けた。
「本日、キックオフイベントに参加しました😊」ZEN messengerへの参加を皮切りに活動報告が始まる。
「地域協働⭐ニッコウイワナにあえる川」として栃木県知事から優秀賞を受賞。活動内容と協力機関が県Webサイトに掲載された。
11月4・11日実施の環境学習授業の報告書を公開。「イワナが今よりももっとふえてほしいです🤗 by日光小3年生」という児童の言葉が記録された。
鬼怒川漁業協同組合日光支部との協働でイワナ発眼卵を大谷川川底に埋設。11月埋設のヤマメ卵もふ化を確認。
卵→ふ化→稚魚成長の全ステップを小学校の水槽で児童が観察。「心臓がドクドクしてる👀‼️」「元気でね!大きくなってね!」という児童の反応が記録された。2月に川へ帰す「卒業」も経験。
▲ 左:栃木県知事優秀賞受賞 右:「元気でね!」と声をかけられながら川へ帰るイワナたち
5団体の投稿から読み取れる、日光市での市民活動が向き合う共通の課題。それは同時に、この地で活動し続けることの意義でもある。
「つながりと日本語@日光」は図書館ツアーを企画。「子どもたちのご家族にももっと市の公共施設を知って使ってもらいたい」という言葉が、外国にルーツを持つ家族たちが地域のリソースにアクセスしにくい現状を示す。「いろんな国の言語の本や絵本がこんなにもあることも、知りませんでした」という発見も記録された。
投稿に登場した実際のパートナーシップと、団体間に生まれつつある連携の記録。日光市民活動支援センターというハブを中心に、多様な主体が協力し合っている。
あかね会ロッビアの子どもたちが、NPO法人ウェーブの利用者・職員にダンスを披露。「2ヶ月間、練習を積み重ねてきた成果を出し切り自信を持って踊る姿が逞しかったです✨」と記録される。地域NPO同士が互いの活動を豊かにする協働の例。
2025年11月のキックオフから2026年2月末までの全期間で、日光市の5団体に対して合計977件の応援アクションが集まった。 ZEN messengerという新しい仕組みが、市民の関心を可視化している。
11月のスタート時52件から1月には332件へと急増。年末年始にかけて関心が急速に高まっており、 5団体の投稿活動の活発化と比例する形で支援も拡大している。2月は320件となり、 4団体目・5団体目が活動報告を本格化させた時期であり、関心の裾野は着実に広がっている。
「日光の自然を生かしたアウトドア体験活動に使います。経験の貧困をなくすため、支援が必要な子どもたちに多様な体験を届けていきます」
2026年春に向けて、5団体はそれぞれの「次のゴール」を見据えている。 個別の目標は違っても、子どもたちの未来・地域の豊かさという方向は共通している。
▲ 2026年に入り、各団体の活動はより深く・広くなっている
ニッコウイワナに学ぶ会 — 活動投稿より
子どもの笑顔、清流のニッコウイワナ、外国ルーツの子どもたちへの日本語支援、18年間の読書文化——。 ZEN messengerで「いいね!」を押すたびに、日光市の市民活動がひとつ前に進みます。